素質の見極めが、自己の最も伸びて行く競技スポーツを見つける手助けとなり、将来オリンピックに繋がる道ともなる。その素質、「体力」「体型」「感覚」の「体力」は前回終わった。今回は「体型」について考えてみたい。

 

陸上競技選手の体型は、それぞれの種目によって異なる

 

陸上競技の種目数は、男子24種目、女子23種目と多い。走る種目には短距離、中距離、長距離そしてマラソンがある。また競歩や跳躍、投擲などがあり、それぞれの種目で要求される体型は異なる。

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 写真1:長距離選手と投擲選手では、競技の求められる体型に大きな違いがある。

 

特に、細くて体重の少ない長距離選手やマラソン選手と、筋肉量が多く体重の多い投擲選手とでは、その体型は全く異なる。

また、同じ走種目でも殿筋や背筋の発達した短距離選手と、身体全体が細い長距離選手とでもその体型も異なりを見せる。

跳躍種目の中でも微妙に異なるが、それは投擲種目についても同じことが言える。

中・長距離やマラソンは、同じような体型であることから、種目の変更が楽に行われる。

 

世界トップレベルの短距離選手の体型

 

これは私の持論であるが、走競技は両脚を使い身体重心を運ぶものである。その時、身体の前面に重心があると、一歩前に振り出した膝に重心が乗りやすくなって結果、地面反力を高め推進力を上げることが出来る。この身体重心が身体の前面にあるのは、オリンピックなどに出場している短距離選手を見ると分かる。それは殿筋や背筋の発達した体型にある。

 

これは細い体型の、中・長距離選手やマラソン選手なども、良い走りをしている選手は、身体重心が身体の前面にある。また短距離であれば中間疾走時にあたるが、走技術の工夫により、身体重心を身体の前面に持ってくることは可能である。このような体型と走技術の工夫により身体重心は身体の前面にきて、前方へ自動的に動き出すような走りとなる。当然、走競技は個人差もあるが、身体重心の上下の位置も地面反力に大きく影響してくる。

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 写真2:短距離選手の体型。背筋や殿筋の発達が見られ、身体重心は身体の前面にある

 

また「てこ運動」を考えた場合、骨に付着している腱の位置が、力の発揮に優位に働くとされているので、そこも関係してくるかも知れない。

しかし、この殿筋や背筋の発達した体型が、水泳競技になると不向きになると思われる。このような体型は、水の抵抗が多くなるのかも知れない。水泳選手に、陸上競技の短距離選手のような殿筋や背筋の発達した選手がいないことからも分かる。

 

体型は競技力に大きく影響する

 

日本のトップを目指すのであれば、それぞれの競技種目で活躍している選手たちの体型を調べ、世界を目指すのであれば、世界でトップレベルの競技種目の選手達の体型を調べるとよい。

 

ただし、成長期の子供たちが、専門種目を選ぶ上においては難しい。それは、将来の身長、体重がその時点で分からないからである。

 

しかし、体型が競技力に影響する以上、よく考え専門とする種目を選ばなくてはならない。

 

オリンピック選手村の食堂で見た多くの競技種目のアスリートたち

 

オリンピック選手村のダイニング(食堂)は各国の選手で賑わう。私が出場したオリンピックでも、ダイニングを利用していた。色々な選手がいたが、一際目立つと感じたのが、バスケットボール選手だった。男子選手は2mを超える者が多く、中には220㎝以上の選手もいる。それは、長身選手の方がバスケットボールに有利に働くからである。
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 写真3:写真は、娘の由佳が2010年広州アジア大会に出場した際の
 選手村ダイニングの様子。オリンピックでも同様の雰囲気である。
 各国、各競技の選手が競技会に合わせて食事を取るため24時間オープンしていることが多い。


また体操は、逆に大きな選手はいない。高い難度の技を表現できる、少し小さな体つきの選手が多い。女性は150㎝を切ってくる選手もいる。

皆それぞれの競技種目に適した体型の選手達の集まる場なのである。

 

北京オリンピックでの中国の金メダルは51個

 

さて2008年の北京オリンピックで、中国は51個と断トツの金メダルを獲った。しかし、陸上競技や水泳は金メダルが取れなかった。その内訳は、金メダル4個以上だけの競技をピックアップすると、重量挙げ8個、飛込み7個、体操7個、ライフル射撃5個、卓球4個である。多くの金メダル獲得した競技は勿論であるが、その他金メダル取った競技種目も含め考えると、それぞれの競技種目に向いた体型であったと言える。

 

次回は私が最も重視している感覚について考えを述べる。