自己の素質から、伸びる可能性のある競技スポーツを見つけることの重要性は、前回のブログに記した。今回は、三つある素質「体力」、「体型」、「感覚」の中の「体力」にスポットを当てる。

 

瞬発力系スポーツ向きか、持久力系スポーツ向きか

瞬発力と持久力との区分は難しいが、ここでは無酸素運動を瞬発力系とし、有酸素運動を持久系とする。

これをオリンピック種目の中で考えてみる。

瞬発力系スポーツの代表的なものに、大きなパワーを必要とする投てきや重量挙げ、また、それ程大きなパワーを必要としないゴルフや飛込競技などがある。その他の瞬発力系スポーツとして、陸上競技の短距離、跳躍や体操などもある。


持久系スポーツにおいては、陸上競技の中距離・長距離、競泳、自転車、トライアスロン、カヌーなどがあげられるが、ボートなど大きな筋力も必要とする。

球技などは、ボールに対しいかに早く反応してボールに追い着くか、ということを考えると瞬発力系素が多いが、長時間のプレーに対する持久力も必要となる。

柔道やレスリングも、技をかける時の素早い動きは瞬発力系であるが、競技時間内戦う持久力も必要である。

また馬術、射撃、アーチエリーなどは神経系主体のスポーツと言える。

あなたの体力から、向いたスポーツ種目を見つける


瞬発力系能力の持ち主か持久力系能力の持ち主なのかは、小学校や中学校の体育の授業の中で行われた運動能力テストの50mダッシュや幅跳び、そして持久走などで分かる。50mダッシュや幅跳びの能力が高ければ瞬発力系のスポーツに向いており、長い距離を走ってもあまり苦しさを感じない者は、持久系スポーツに向いていることになる。


IMG_7808

(写真1)スタートダッシュ(森長正樹氏協力)


また、個々が持つ速筋線維、遅筋線維などの割合によるものであるが、瞬発力系を得意とする者は持久的能力に劣り、持久力系を得意とする者は瞬発力系能力に劣るので、どちらに向いているかが分かりやすい。


先天的にスピードやジャンプ力の高いレベルの持ち主は、すべての瞬発力系スポーツでの活躍が期待される。

 

瞬発力系か持久系かは、運動能力テストにより中学生位までにおよそ分かる。しかしこれは、あまりトレーニングがされてない状態での測定が望ましい。

さてこの時期の測定で見逃してはならないのが、スピード(30m50mダッシュ)やジャンプ力(走り幅跳びや立幅跳び)である。これら能力は先天的なものであると思われる。特に男子で立幅跳びを3m、女子で2m50を超えてくる者、50mダッシュ、男子で6秒前後、女子で7秒を切ってくる者などは、多くの瞬発力系競技に向いている。
IMG_7809
(写真2)立ち幅跳び(森長正樹氏協力)

私の立ち幅跳びのベストは3m50近くがベスト記録だった。参考までに、息子の広治は3m50を超え、由佳は2m80近くまで跳んだ。50mダッシュの私のベストはスパイクを履かず58、広治は58を切り、由佳は67台で走った。これらのベスト記録は、中学生の後半ではなくとも、その時期と大きく変わらなければよい。このレベルが高ければ高いほどオリンピックも可能性が出てくる。

またこれは、仮に成長とともに体重の増加があり、スピードやジャンプ力能力が低下したとしても、後のトレーニングにより筋力などの高まりがあれば競技力に影響しない。
専門種目を決めた後からのトレーニングについて

専門種目を決め、身体の成長期を過ぎた後に各種トレーニングを長期間続けていくと、筋力や持久録は大きな伸びを見せる。そして競技力をさらに高めることができる。このため、成長期の過度なトレーニングは成長の阻阻害にも繋がるので、避けるべきであろう。特にウエイトトレーニングは大学生になってから本格的に行えばよいと思われる。

IMG_20161025_0004

   (写真3)大学3年次の写真、本格的ウエイトトレーニングは大学生から
              しかしハンマー投げはこのころから2年半ものスランップが始まる

今回は個々の体力から、どのような競技スポーツに向いているかを考えてみた。
次回は体型について述べていく。