無題4
「思ったような成果が出ない」「低迷が続く」「以前のような良い動きが出来ない」などと言った悩みを持つ選手は多い。
私もそうであったが、それを脱して良い状態になっても、また悪くなるといったことを繰り返す。
確かに結果がある以上原因はある。このような時は、その原因を徹底して探らなければならない。


その方法であるが「木を見て森を見ず」のように、木だけを見ていていてはなかなか突破口が見つからない。私はその森となるべくものを見つけた。


この森とは、事物の間に成立する普遍的、必然的関係すなわち法則である。「向上する」「強くなる」「高まる」ために私はこの二つの法則を基に、それぞれの方法論を展開していくことをすすめる。

 
その二つの法則とは。

 「ニュートンの法則」

 「生物の一般的特徴」

である

 

1、ニュートンの法則
先ず、「ニュートンの法則」であるが、多くの方は熟知していると思われる。
ニュートンの第1法則(慣性の法則)
物体に力を作用させその状態を変化させない限り、静止の状態または一直線上の一様な運動状態を保つ。

 
ニュートンの第2法則(運動の法則)
第1法則の慣性と関連がある。第2法則は物体に力を作用させ物体に運動の変化をさせる。

 
ニュートンの第3法則(反作用の法則)
どこに働くどのような力に対しても、逆方向に働く大きさの等しい力が常に存在する。

 
作用・反作用は何となく理解はできるが、慣性と運動はよく理解できない方が多いかもしれない。しかしこの法則は無重力状態において考えると分かりやすい。テレビにより宇宙飛行士の船内活動が放映されることが多いので、およそ無重力がどのようなものかお分かりいただけると思う。宇宙空間に想像を巡らせるならば、ニュートンの法則はある程度理解できる。


しかしこの法則を重力のある地球上で考えると難しい。このため無重力の状態と地球上での現象を比較しよく考えるのである。そうすると地球上でのこの法則が理解できる。


特にニュートンの第3法則である作用・反作用を念頭に置いておくべきであろう。なぜならば、我々は地球上で活動しているからだ。歩く、走る、跳ぶ、投げる動作は当然だと思っている人も多いと思われるが、これは地面の反力によっておこる現象である。(水中での動きも水の反力による)


地面からの反力により歩く、走る、跳ぶ、投げるなどの動作がある以上、力の伝わりやすい姿勢がある筈で、その姿勢の改善こそが動作のレベルアップに繋がると考えた。そしてこれら動作の中で力の効率性を追求していくには、二つのことをベースに考えるとよいことが分かった。


それは「力の伝導」と「力を発揮する順序」の二つである。
次回はこの二つを詳しく述べる。